信頼の黒  その2

ミノーを見るということにおいて、魚とアングラーは全く別の状態になっている。

 

 

魚は水中から水面方向を見上げている。

アングラーは上から水中を見下ろしている。

 

 

だから、川底をバックに見るアングラーはミノーが地味なカラーだと見づらいと感じ、反対にチャートやピンク・赤だったり光を良く反射するカラーならはっきりと目で追うことが出来る。

 

ところが下から見上げる魚にとって明るいカラーはシルエットがぼやけてさせてしまっているのではなかろうか。そのおかげでミノーへのバイトをためらってしまうことが少なからずあると思う。

 

トラウト用ミノーにおいてヤマメパターンは定番とされていてモルフォにもいくつかのバリエーションが有る。

要はパーマークが有るか無しかなのだけれど、私はヤマメやイワナがヤマメカラーのミノーを同族の幼魚だと思ってバイトしてくる場合は稀だと思っている。彼らは、これは魚じゃないとすぐに御見通しになるはずだ。

それでもこのヤマメカラーが定番であり良く釣れるのは、側面に濃い色のパーマークが入ることによりミノーの動きが魚にとって見やすくなっているためではないかと思う。

それとオレンジベリーも有効とされているパターンだ。確かに鱒達はオレンジや赤系統の色に反応しやすいと感じるけれど、お腹を塗りつぶすことによって魚にとってミノーの動きが捉えやすくなっているはずだ。

 

 

魚の見ている世界とアングラーの見ている世界は違う。

我々にとって見やすい色は魚にとっては見難いものかもしれない。

 

そんなことを考えながらカラーを考えたり、エアブラシを吹いたりしています。