もう一度、あの川へ  その2

もう何匹釣ったのだろう。初めは数えていたがそれは途中からどうでもよくなった。

 

ミノーを良型に持っていかれはしたが、相変わらずヤマメ達は騒がしいままだ。

 

そのまま釣り上がり今度は流れがカーブして瀬になっていくポイント。

Kさんがアプローチする。

瀬の中でギラギラと体をくねらせている魚が見えるが中々掛からない。魚種は分からないがイイ型だ。

何投もするが口を使ってくれない。

今度は交代して私が投げることにする。

 

初めはレテノールを投げていたがイマイチ反応が鈍い。あれこれ付け替えて薄型55mmのブラックチャートを試す。

するとまた反応がみられた。しかし、特定のコースでしか反応してくれないようだ。

 

こいつはデリケートだぞ・・・。

 

結局、こいつの正体はわからないまま魚は沈黙してしまった。

魚の方が上手だったみたい。

 

お日様も高くなってきて気温も上昇してきたが、まだ魚は反応してくれる。

 

ある程度釣り進んだので、ちょっと川を上がって違う区間を見てみることにする。

 

今度は前回釣ったところを含む区間に入る。

入渓してちょっとのところでイワナが顔を出す。今日はヤマメばかりだったので新鮮だ。

 

そうしたところでKさんがまたイワナをヒットさせる。ぐいぐいと引いて抵抗したが寄せてみると、これは良いサイズだ。

ネットインしたイワナにメジャーをあてると32cmの尺上だ。グネグネと逃げようとするイワナをネンネさせ写真に収めるKさん。

 

「やっぱり今日は良いぞ。次は尺ヤマメだな。」

 

今度は私が先行させてもらうことにする。

そうすると次に本当に尺クラスのヤマメがヒットした。

 

瀬の中でヒットしたヤマメに軽く合わせると、ヤマメは横に走った。

そうして今度はローリングしながら手元まで瀬を下ってきた。下ってくるヤマメの口元を見るとテールフックが下あご先に1本掛かっているだけだ。

 

まずい。早く掬わないと。

 

手元に寄せ、背中のネットを引き抜いてヤマメを掬おうとするがローリングしながら水面付近で左右に逃げる。

そうこうしている内にヤマメはローリングしてフックを外して流れに戻って行ってしまった。

 

これは明らかに自分のミスだ。

ランディングに手こずってしまったこととヤマメのチェイスが目視できなかったために合わせが一瞬遅れてしまったことが原因だ。コンマ何秒の世界にその魚が獲れるかが掛かっているのだ。

 

目測31,32cmといったところだろうか。間違いなく今日イチのヤマメだった。

 

 

 

お日様は南中を既に超えている。あきらかに魚の追いが無くなってきた。

気温も高いが水温もかなり上がっている。測ってみると21℃もあった。朝は16℃だったので5℃も上昇したのか。これは魚にとってかなり厳しい。

 

まばらになった反応にお祭りが終わったことを実感する。途中、上空の雲から雨が降ってきたが活性がまた上がることは無かった。

そろそろ川から上がることにする。

 

 

今日は間違いなく今年一番の活性のヤマメ達に逢うことが出来た。

しかし、良型を釣り逃がし自分の未熟さも彼らに教えてもらった1日だった。

 

 

Tackle

Rod Casket Revolution RB55MS

Reel Abu Cardinal 33

Line ナイロン5lb

Minnow Rhetenor 48S 薄型55mmプロト