悪あがきの続きの続き

長引きましたが最後です。


16時近くになり日も傾いて、このポイントは薄暗くなってきている。水中の様子はちょっと見づらい。

第1投にはチェイスした様子は見えなかった。

ちょっと流速は早めで強めにトゥイッチしないとアクションしない感じ。

必ず居ると信じて投げた3投目。

いきなり2匹のチェイス。グワグワと身をくねらせながら追ってくる。

恐らくペアで8寸ともう1匹はそれより少し大きいくらいに見えた。

着水からピックアップまで5秒も無いので追うのも大変なのだろうが、あの追い方とスピードなら口を使うはず。


それからまた3投目に、待望の手応え。

手元に寄せると、23位の雌ヤマメ。背中とパーマークが黒紫に染まり産卵まで時間がない事を感じさせる。

川原らしい川原はないが、ちょっとした生け簀を作ってそこへ放す。

ラインを結び替えて、次を狙う。

これが雌なら、残った方は雄のはず。


また3投目にチェイス開始。まだまだ勢いがある。

5投目、ドカッ! と衝撃が来る。

近距離で掛かったヤマメの姿を確認すると予想よりも2周りは大きくて手応えも重い。

ゴンゴンと頭を振って抵抗するが、3秒もせずにランディング。

ネットは持ってきてないので、先ほどの生け簀へ。

このヤマメには少し狭いが仕方ない。

左手で魚体を支えて確認すると、今年一番の雄ヤマメ。

その姿は産卵が近いがくすんでいる様子は無く、側面が鮮やかな紅に染まった美形。

大体33~34cmか。鼻も少し伸び落ちた厳つい顔。


最終日にドラマが起きるんだな~。


と思わず声が出る。

周りが樹木に囲まれ、夕方になり薄暗くなったこの場所でちゃんと写るか分からないが、取り敢えずは記録に残さねば。


生け簀周りに草や落ち葉が多くて気になったので、それを取り除いていたところ。


バチャチャ~。


ぅああああああ~!!!


周囲に悲しく響き渡る阿鼻叫喚! 時刻は16時!!

1匹脱走したのだ。

しかも、雄ヤマメの方が。

勢いよく下手の瀬に泳ぎ去っていく姿を一瞬確認し、しばし呆然。

生け簀も雌ヤマメに合わせて作ったから小さかったのもいけなかったし、何よりネットに入れてなかったのがまずかった。

8月の中旬にある川で紛失していたのです。それをそのまま騙し騙しやってきたのが仇となった。

ネットはいかなる時も身に着けておかねばならない。

手痛い教訓。


残った雌ヤマメはそのまま写真を撮らずにリリース。

なんとも言えない気持ちのまま入渓点の車へ戻りました。

最後に少しだけ入渓点の下流をやって9寸弱のを2本釣って終了。


釣果的には文句無しだったけど、歯がゆい気持ちでシーズン終了となりました。

因みに、ヒットルアーはArrowでした。

次回はちゃんとヤマメが登場します。

すいません。