カーディナルは巻きが重い?

カーディナルは巻きが重いと言われることがあります。

これは当たらずとも遠からずというか、間違いではないが正確ともいえない指摘だと思います。

 

実際使ってみると滑らかに回るものの巻上げ力は弱い事が分かります。

ドラグワッシャー以外はノーマルです
ドラグワッシャー以外はノーマルです

カーディナルにはウォームギアを使っています。

ウォームギアというのはギア比を大きくとりやすい事が特徴で、本来は減速用途に使われるギアです。

大きな減速比が得られますが、あまり効率のいいギアではありません。

そんな減速向きのギアを逆に増速に使っているわけです。

増速にこのギアを使っている製品は数十年前のリール位ではないかと思います。

(ちょっと昔に勉強した機械設計の参考書がここで役立つとは)

 

それと通常のギアの噛み合いとはちょっと違って、ギア同士が点接触に近い状態で噛み合いお互いが滑りながら回っていきます。

(カバーを開けて、見てみると分かりやすいかも)

荷重が点に近い非常に面積が少ない状態に掛かりますので負担が大きくこれも巻上げが重い理由となっていて、魚を引き寄せるなど負荷をかけた時に顕著です。

(ダウンでDダイバーなんかを引くのはしんどいですよね)

 

効率のあまり良くないものを逆の用途に使っているのですから、どう考えても不利なのです。

そもそも昔のカローラと今のクラウンを並べて、パワーがどうだの乗り心地が良い悪いと比べるのは酷な話です。

このリールを使うならば、カーディナルはこういうものと、ある程度の諦めというか割り切りが必要だと思います。

 

ギアの特性上、新品の時ほど巻き重りが大きいです。

ギアが馴染んで少し摩耗した状態になると、接触面積が僅かに増えますので幾らか軽く回せるようになってきます。

カーディナルなんてのは、1年目は慣らしの期間のようなものです。

慣らし中は(というかカーディナルは)ナイロンラインの使用をお勧めします。

(昔のリールは、PEラインでも使用されるという前提では設計されていません。というか存在してないので想定のしようがない)

PEラインの感度や強度は魅力的ですが、ストッパーに負担が大きいですし、ギア表面に微細なヒビやキズが付きやすいのでパーツの寿命を縮めることを覚悟して使わなければなりません。

PEを使うのであれば、慣らしが済んでからの方がギアへの負担は少ないはずです。

 

それと硬いロッドを使うとブランクが曲がりにくい分、魚の力がリールに伝わり巻き重りが大きく感じます。